
秦野市では、地元農家の方々の協力のもと、収穫体験や農園オーナー制度など、「観光農業」への取り組みに力を入れています。そんな中、日本の原風景を思わせるのどかな景色が広がる上(かみ)地区を舞台に、今年も人気の収穫体験イベント「上地区農園ハイク」が開催されました。
目次
「上地区農園ハイク」は、単なる里山ハイキングにとどまらず、地元農家さんたちの畑を訪れて、旬の野菜やフルーツを自分の手で収穫できるのが大きな魅力。美しい里山の風景の中を歩き、秦野が誇る「農業」の魅力を再発見できます。 今回は、6月13日に開催された上地区農園ハイクに筆者が小学生の子どもと一緒に参加し、当日の様子を徹底レポート! 参加者のリアルな声とともに、実際に現地を歩いて見つけた上地区ならではの魅力をたっぷりお届けします。
「農園ハイク」とは? 農家と消費者をつなぐ人気イベント

「農園ハイク」は、毎年秦野市の各地区で行われ、ハイキングと農作物の収穫体験を同時に楽しめる恒例イベントです。地域の少子高齢化や農業の後継者不足という課題を解決し「地域を元気にしたい」と、上地区農園ハイク実行委員会が検討を重ね、先進事例などを参考にして1994(平成6)年に実現しました。
今では多くの人を惹きつける人気のイベントになり、実際に参加した方からは「収穫できた量がとても多くて本当にびっくりしました」「子どもと一緒に夢中になって楽しめました」「毎年参加しています。来年もまた絶対に来ます!」といった感想が寄せられています。2026(令和8年)年の参加者は118組281人にのぼり、過去最高レベルの大きな盛り上がりを見せていました。
マップを片手に、いざ農園ハイクへ出発!

イベントは9時から14時までの間で開催されるため、参加者は12時までに受付をすれば 、それぞれの都合に合わせた時間に自由に出発できます。我が家は、9時すぎに集合場所である「JAはだの 上支所」へ足を運びました。
敷地内の特設テントにある受付で、まずは体験チケットを購入します。3枚1セットで1,000円、複数購入も可能です。同時に手渡されるハイキングマップには、対象となる農園の位置と、そこで収穫できる作物が分かりやすく記載されていました。
チケット1枚につき、いずれかの農園で1種類の収穫を体験できます。この日は、トウモロコシやタマネギ、ニンジンのほか、ズッキーニ、ジャガイモ、さらには極早生(ごくわせ)モモや観賞用のバラまで、魅力的な農作物がずらりと並んでいました。どれにしようか迷う時間も、農園ハイクならではの楽しさです。我が家は子どもの希望で、「極早生モモを2回、トウモロコシを1回」に決定! 地図で行き先を確認して、さっそく出発しました。
おしゃべりも弾む、のどかな里山のハイキング

歩き始めると、青々とした緑が続き、心がじんわりと安らぐ風景が広がっていました。山の麓なので少し坂道もありますが、心地よい風を感じながら歩くことができます。街の喧騒から離れて、開放的な空気を吸いながら歩く時間は、本当に特別なものだと感じました。

うっすらと汗をかきながら進むと、心地よい充実感に包まれます。「わあ!いい景色だね」と弾んだ会話が、ほかのグループから聞こえてきました。ただ目的地へ向かうだけでなく、自然を感じながら歩く時間は、何よりのリフレッシュになります。普段とはひと味違うウォーキングコースを探しているハイキング好きの方にとっても、新鮮な道のりになるはずです。
甘い香りに包まれるモモ果樹園

上支所を出発して約20分、最初の目的地である果樹園に到着。ふんわりと漂うモモの甘い香りが私たちを迎えてくれました。
受付で体験チケットを1枚手渡すと、農家さんが、美味しい実の見分け方や上手なもぎ取り方を優しく教えてくれました。普段スーパーで並ぶ姿しか見たことがない子どもにとって、木に実るモモは新鮮そのもの。

「モモの木って、これからもっともっと大きくなるの?」という子どもの素朴な疑問に対し、農家さんは「モモの木はね、もうこれ以上は大きくならないかな」と、笑顔で答えてくれました。収穫のアドバイス通り、実を優しくひねるように力を込めると、ぽろっと綺麗にもぎ取ることができました。
さらに、「大人よりも低い視線で見上げる子どもの方が、葉の影に隠れた立派な実を見つけるのが得意なんだよ」と教えてくれます。その言葉通りに夢中で探した結果、さらに2つ、見事なモモを収穫できました。もぎたてのモモの細かな産毛の感触が心地よく、子どもは大はしゃぎ。
収穫したモモは、農園に預ければスタッフが回収し、最初の受付場所まで運んでくれる仕組みです。おかげで、残りの道のりも身軽に歩くことができました。

続く2軒目の果樹園でも、たくさんのモモが実っていました。木の奥まで覗き込み、「これだ!」と、ひときわ大きな実を収穫し、「大きいの採れた!」とにっこり。自分で選んだモモが増えて、持ち帰って食べるのがさらに楽しみになりました。

大賑わいの畑でトウモロコシ狩り

続いてやってきた3軒目の農園でのお目当ては、トウモロコシです。こちらの農園では、ジャガイモやタマネギ、ズッキーニ、ネギ、レタスなど、さまざまな野菜が栽培されており、一段と大きな賑わいを見せていました。
周囲の参加者のお話を伺うと、特にリピーターの方が多い印象でした。「平塚から3回目の参加なんです!」と話してくれたご家族や、「今回で5回目の参加。毎年この時期を家族みんなで楽しみにしています」と語る親子、「野菜を土からズボッと抜く瞬間が楽しい!」と笑顔を見せる男の子など、現地はたくさんの笑顔で溢れていました。


さらにこの日は、OMOTANの過去記事でもおなじみのトレイルランナー・見城香織さんの姿も。主宰するイベントの参加者たちと、農園間をランニングしながら移動するというアクティブな企画で参加されていました。参加者は市外から訪れた方ばかりと聞き、地域の枠を超えて多くの人が上地区の自然と農業に魅了されているのだと実感しました。

ここでも農家さんが、しっかりと食べ頃のトウモロコシを見極めて教えてくれました。トウモロコシに手を添え、ぐっと力を込めると、バキッという気持ちの良い音とともに、きれいにもぎ取ることができました。「薄皮を残したまま電子レンジで3分くらい温めると、手軽に美味しく食べられるよ」と食べ方も教えていただきました。

これからの季節も楽しみな農園ハイク

すべての体験を終え、11時すぎにスタート地点の上支所へと戻ってきました。農園から届いたばかりの、自分で収穫したトウモロコシとモモを受け取ります。
最後は体験チケットについていた抽選券でくじ引きにも挑戦! 最初から最後までお楽しみがたっぷりの時間となりました。会場では地元の新鮮な朝採り野菜を直接購入できるコーナーも用意され、ここでも嬉しいお土産をしっかりゲットしました。
農作物を収穫する嬉しさはもちろん、のんびり歩いて自然に触れ、育てた農家さんと直に交流できることこそが、農園ハイクの一番の魅力だと感じました。

秦野市の担当者の方も、参加者のたくさんの笑顔を見て、人と人とのつながりの温かさを改めて実感したそうです。また農家のみなさんにとっても、普段の出荷だけでは見られない「お客さんの喜ぶ顔」や「美味しい!」という声を直接聞くことができ、毎日の畑仕事の大きな励みになっているとのことでした。
上地区での農園ハイクは今後も毎年6月に開催される予定です。また、今年の11月には、別の地区で「東地区農園ハイク」、「丹沢秦野農園ハイク」の開催も予定されています。
畑の土の匂いを感じ、農家のみなさんの温かさに触れた「農園ハイク」。思い出と一緒に持ち帰った食材は、いつもの何倍も美味しく感じられました。
我が家も今から次の開催を心待ちにしています。秦野ならではの自然の恵みと人とのつながりを感じる豊かな時間を、ぜひ体験してみませんか?
農園ハイクの情報とお問い合わせはこちら
■秦野市役所 環境産業部 農業振興課 農業支援・鳥獣対策担当
■住所:神奈川県秦野市平沢477 はだの都市農業支援センター1階
■電話番号:0463-81-7800
■ホームページ:https://www.city.hadano.kanagawa.jp/soshiki/7/1048/2/3/1/4968.htmlhttps://www.city.hadano.kanagawa.jp/soshiki/7/1048/2/3/1/4968.html
■YouTube:https://youtu.be/YNpmcfzAJIA?si=tRJSyHblcoMcdoT1




