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【ライター記事】水と自然の大切さを学ぶ|第10回秦野名水フェスティバルをレポート

第10回秦野名水フェスティバル

2026年8月1日、クアーズテック秦野カルチャーホール(秦野市文化会館)で「第10回秦野名水フェスティバル」が開催されました。
会場に足を運んで感じたのは、「水」という一つのテーマが、生き物、科学、工作、音楽、食、防災など、秦野の暮らしのさまざまな場面につながっていることです。
館内には、子どもたちが夢中になる展示や体験が並びました。屋外では、水鉄砲大会や消防団による放水体験も行われ、会場は多くの来場者でにぎわいました。午後には、「さかなのおにいさん かわちゃん」によるおさかなクイズショーが行われ、大きな盛り上がりを見せました。
今回は、会場を巡りながら見つけた秦野名水の魅力を紹介します。

第10回秦野名水フェスティバルが開催

会場前の階段を彩ったモザイクアート

秦野名水フェスティバルは、水の大切さや秦野名水の魅力を伝えるイベントです。

10回目を迎えた今回は、館内と屋外の市民広場に、展示や体験、飲食、ステージ企画が集まりました。会場では、生き物の観察や科学実験、工作などを楽しむ多くの来場者の姿が見られました。

テーマは「シゼンサイコー ―NATURE POSITIVE―」

水辺の生き物や環境について楽しく学べる「エコ釣りゲーム」

2026年のテーマは「シゼンサイコー ―NATURE POSITIVE―」です。

「ネイチャーポジティブ」とは、減ってしまった生き物や自然を守り、少しずつ元気な状態に戻していこうという考え方です。

そのためには、森や川をそのまま残すだけでは十分ではありません。生き物が暮らすために欠かせない水や緑を、地域のみんなで守り、次の世代へ引き継いでいくことが大切です。

現代は、動画やゲームなどを楽しむ機会が増え、身近な自然に触れる時間が少なくなっています。今回のイベントには、生き物との触れ合いや体験を通して自然を身近に感じ、「みんなで大切にしていこう」という気持ちを持つきっかけにしてほしいという思いも込められています。

秦野名水も、市民みんなの財産であり、秦野市の誇りです。身近な水や自然に目を向け、大切にすることも、ネイチャーポジティブにつながる取り組みの一つです。

生き物と科学に夢中になる子どもたち

多くの親子でにぎわう東海大学の「名水水族館」(秦野市環境共生課提供)

館内で特ににぎわっていたのが、東海大学による「名水水族館」です。

会場には、魚やカニなどの水辺の生き物をはじめ、ヘビなどの爬虫類、クワガタやカブトムシといった昆虫も展示されていました。子どもたちは水槽や飼育ケースをのぞき込み、生き物の動きや体のつくりを興味深そうに観察していました。

生き物に直接触れられる体験も人気でした。少し緊張した表情を浮かべながら、おっかなびっくりヘビを手に乗せる子どもの姿も見られます。

東海大学生による名水科学実験も大盛況でした。

持ち手をこすると音が鳴り水が跳ねる不思議な鍋や、紙コップの穴をのぞくと虹が見える実験、カラフルなスライム作りなど、目を引く内容が並びます。

風船を氷点下まで冷やしてしぼませた後、温めて中の空気を膨らませる実験では、子どもだけでなく大人も興味深そうに見守っていました。 説明を聞くだけではなく、自分の目で確かめ、手を動かしながら学ぶ子どもたちの姿が印象的でした。

スタンプラリーで「もりりん」記念缶バッジを獲得

もりりんの缶バッジ

会場内では、6か所を巡るスタンプラリーも行われていました。

パンフレットの台紙にスタンプを重ねて押すと、一つの絵が完成します。すべて集めると、運営本部で名水ガチャに挑戦できる仕組みです。

私も6つのスタンプを集め、名水ガチャでもりりん登場30周年を記念した缶バッジを受け取りました。 もりりんは、自然観察施設「くずはの家」のマスコットキャラクターです。森の妖精として親しまれており、当日は会場にも登場して来場者を楽しませていました。

ものづくりから環境を考えるワークショップ

海岸で回収したプラスチックを使って作られたレジン作品

会場には、ものづくりを楽しめるワークショップも並びました。

もりりんの缶バッジ作りやオリジナルペットボトルラベル作り、レジン工作、つかめる水作りなど、内容はさまざまです。

レジン工作では、平塚や大磯、茅ヶ崎などの海岸で集めたプラスチックを細かくし、色分けして素材として活用していました。 子どもたちは好きな色や素材を選び、それぞれの作品作りに集中していました。ものづくりを楽しむ時間が、水や資源、海洋ごみについて考える入口になっていました。

屋外で水を楽しむ体験

水鉄砲大会を楽しむ子どもたち(秦野市環境共生課提供)

屋外の市民広場では、水鉄砲大会や、子どもたちが実際に放水を体験できる消防団のコーナーが設けられました。

水鉄砲大会では、参加者同士が水を掛け合い、夏らしいひとときを楽しむ姿が見られました。

消防団のコーナーでは、放水や消防車への乗車を体験できます。普段は近くで見る機会の少ない消防車に乗れることもあり、子どもたちの注目を集めました。

水を「使う」「楽しむ」「防災に役立てる」という、さまざまな形で水に触れられる屋外企画でした。

秦野の名産を味わう名水マルシェ

秦野産の緑茶や紅茶を販売する「たかなし茶園」

名水マルシェに並んでいたのは、秦野名水ロゴマークの認証を受けた店舗の商品です。

秦野名水で作った豆腐をはじめ、おやきやパン、秦野産の緑茶や紅茶など、地域ならではの品々が並びました。

私もお茶を購入し、生産者の方との会話を楽しみました。

秦野名水は、飲み水としてだけでなく、地域の食を支える存在でもあります。会場を巡る中で、水と秦野の食文化とのつながりも感じられました。 屋外にはキッチンカーも並び、昼時には多くの来場者でにぎわいを見せていました。楽しみにしていたクレープは、買いに行ったときにはすでに売り切れで、その人気ぶりが伝わってきました。

秦野の風景を歌う立石純子さんのライブ

立石純子さんのチャリティーライブ

小ホールでは、秦野育ちのシンガーソングライター、立石純子さんによるチャリティーライブが行われました。

披露された歌には、水無川(みずなしがわ)など、秦野の身近な風景が登場。慣れ親しんだ地名が歌詞に出てくると、その情景が自然と目に浮かびました。

元気をもらえる曲や、胸がすっとするような曲もあり、立石さんの澄んだ歌声とピアノの音色に引き込まれる時間となりました。 会場には募金箱も設置され、集まった募金はウォーターエイドジャパンを通じて、すべての人に安全な水を届けるための活動に役立てられます。

かわちゃんのおさかなクイズショー

さかなのおにいさん かわちゃん

大ホールでは、「さかなのおにいさん かわちゃん」による基調講演とおさかなクイズショーが行われました。

かわちゃんの親しみやすいキャラクターと分かりやすい解説により、会場はすぐに明るい雰囲気に包まれました。子どもたちは次々と手を挙げ、答えが分かると身を乗り出すようにして参加していました。

クイズに登場したのは、トビウオ、イルカ、アユ、ウナギ、ホトケドジョウ、メダカなど。アユからスイカのような香りがすることや、ドジョウの仲間が腸を使って呼吸することなど、魚の意外な生態が分かりやすく紹介されました。正解した子どもにはステッカーが渡され、そのたびに会場から拍手が沸き起こりました。

さらに印象に残ったのは、秦野に暮らす魚がスライドに登場したことです。イベント当日に東海大学の「名水水族館」で撮影された映像も使われ、展示と講演がつながる内容になっていました。

もりりんもステージに登場し、かわちゃんとのやり取りで会場を盛り上げていました。子どもたちは最後まで集中し、元気な声でクイズに参加していました。

魚を好きになることが自然を守る第一歩

「さかなを好きになると海は豊かになる」

講演の後半では、魚や水辺を取り巻く環境問題が取り上げられました。

魚が減る背景には、地球温暖化による水温の変化、魚の取り過ぎ、川や海に流れ込むごみの問題などがあります。

かわちゃんは、水を大切に使うことや、油を排水口へ流さないこと、水筒を使ってごみを減らすことなど、日常生活で実践できる行動を紹介しました。また、魚を食べないのではなく、命に感謝して食べることも大切だと呼びかけました。

イベントのテーマである「ネイチャーポジティブ」にも触れ、自然を守るために一人ひとりができることを考える大切さを伝えていました。 子どもたちも真剣な表情で話に聞き入り、「どうすれば自然を守れるのか」という問いに、手を挙げて自分なりの考えを発表していました。元気にクイズへ参加していたときとは違う、真剣な姿が印象に残りました。

講演の中心にあった言葉は、「みんなが魚を好きになると、海は豊かになる」です。

魚を好きになれば、その魚が暮らす川や海を汚したくないという気持ちが生まれます。目には見えない地下水や水中で暮らす生き物を想像することが、自然を守り、より良い状態へつないでいく第一歩になるという、かわちゃんのメッセージでした。

楽しみながら知る、秦野名水のこと

水辺の生き物に触れながら観察する子どもたち

会場には、生き物との触れ合いや科学実験、工作、音楽、食、防災など、さまざまな体験がそろっていました。

一見すると別々の内容に見えますが、どれも秦野の水とつながっています。魚を観察したり、生き物に触れたり、実験に驚いたりする中で、名水が秦野の自然や暮らしを支えていることに気づきました。

「ネイチャーポジティブ」と聞くと、少し難しく感じるかもしれません。しかし、身近な生き物に興味を持ち、自然を知ることも、その第一歩です。

楽しみながら自然に触れ、「大切にしたい」と思う気持ちを持つこと。それが、秦野名水や豊かな自然を次の世代へつないでいくきっかけになるのだと感じました。

第10回秦野名水フェスティバルは、子どもから大人まで、水と自然について楽しみながら考えられるイベントでした。次回はどのような体験や発見に出会えるのか、第11回の開催も楽しみです。

OMOTANライター 露木啓 (つゆきけい)
【得意分野】 きのこ、散策、人物取材

秦野市在住のWebライターです。きのこが大好きで、休日はよくカメラを持って散策に出かけます。
きのこにまつわる食文化や人物の取材が得意です。きのこを通して、表丹沢や秦野ならではの魅力を発信していきます。
Instagram:@kinocoordinator

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