表丹沢を知る
About Omote-Tanzawa
表丹沢の自然
ブナやカエデ、クヌギなどの樹林が茂る山中には、ニホンジカやノウサギのほか多くの鳥獣類なども棲息しています。林間や山陵では春にはシロヤシオツツジやトウゴクミツバツツジ、アセビなどの花々が咲き、秋になるとカエデやツツジ類などの木々が紅葉して山の季節を彩ります。
表丹沢で見られる植物
春:3~5月
まだ肌寒い3月頃、山麓では瑠璃色のヤマルリソウが咲き始め、春の訪れを告げます。目線に近い高さには、神楽を舞っているように見えるピンク色のウグイスカグラが咲いているかもしれません。4月、林縁をヤマブキがその名のとおり山吹色に染めます。5月、表丹沢の稜線近くでは、登山者が登山の目的にするほど人気のシロヤシオが白い花を咲かせます。
夏:6~8月
6月の終わり、登山道脇にヤマオダマキが咲き始め、盛夏の頃まで楽しめます。7月、大輪の白い花ヤマユリが一服の涼を与えてくれます。7月から8月にかけて、表丹沢の稜線部ではシモツケソウが淡紅色の花を花火のように咲かせます。沢沿いなどでは、球形の蕾が特徴のタマアジサイが咲き始め、秋の訪れまで目を楽しませてくれます。
秋:9~11月
秋は様々な菊の仲間が咲き誇ります。9月頃、山野の日当たりのいいところに咲くノコンギク。白い花の野菊の仲間は他にタテヤマギクやシロヨメナ、リュウノウギクなどがあります。黄色い花はアキノキリンソウ。多数の花を付けます。山麓から稜線部まで広い範囲に咲くタイアザミは11月頃まで楽しむことができます。登山道を彩るリンドウは、9月から11月頃まで咲いています。
冬:12~2月
冬枯れの森に紅色の花を咲かせるヤブツバキは12月頃から咲き始め、春まで、そこかしこで咲いています。花が乏しい2月頃から咲き始めるオニシバリやアセビも標高が上がるとともに春まで楽しむことが出来ます。2月の終わり、緑色の葉が地面に色を添えるムカゴネコノメをよく見ると、中心に黄色い花を咲かせています。ネコノメソウの仲間は、早春の代名詞です。
表丹沢に生息する動物
大型哺乳類
表丹沢でよく出会える動物はニホンジカです。オスもメスも、夏毛は鹿の子模様に生え変わり、冬毛は灰褐色になります。角があるのはオスのみです。運が良ければ出会えるのはカモシカで、崖の上などからそっとこちらを覗いているかもしれません。警戒心が強く出会う機会が少ないのはイノシシです。登山道脇の土を掘り起こしたり、ここを通ったよ、という証拠が見つかります。
中型哺乳類
昔話でおなじみのタヌキとキツネも表丹沢の森に暮らしていますが、なかなか出会う機会はありません。特にキツネはめったに出会えない存在です。足跡や糞などの痕跡から存在を確認することが多い生き物です。
小型哺乳類
アカマツやオニグルミの多い森の中、運が良ければ昼行性のニホンリスに出会えるかもしれません。松ぼっくりやクルミの種子が大好物です。草原の減少とともに出会う機会は減りましたが、ノウサギも生息しています。背丈の短いササの葉をナイフで切ったような食べ痕が見つかるかもしれません。
表丹沢に生息する鳥
留鳥
一年をとおして表丹沢で暮らすのはエナガやミソサザイなど。エナガは群れで行動することが多く、「ジュリジュリ」という囁き合うような声が聞こえたら、枝から枝へ餌を探して飛び回っているかもしれません。ミソサザイは春早い頃から小さな体の割に大きく複雑な声でさえずります。登山中、知らず知らずのうちに、きっと耳にしているはず?
夏鳥
春から秋にかけて日本で繁殖する夏鳥。その代表種と言えば、なんといっても瑠璃色のオオルリと黄色のキビタキでしょう。オオルリは木のてっぺんで囀ることが多く、キビタキは森の中に溶け込むようにいます。どちらも姿だけでなく囀りが美しいのが特徴です。
冬鳥
秋から春を表丹沢で過ごす冬鳥。出会える機会が多いのはジョウビタキです。黒い羽に白い紋、オスはお腹がオレンジ色なのが特徴です。一方、すぐそこにいるはずなのに、なかなか姿が見られないのがシロハラです。落ち葉をカサコソ探る音が聞こえたら、探してみてください。
表丹沢の自然に関する写真や情報は、神奈川県立秦野ビジターセンターからご提供いただいています。
神奈川県立秦野ビジターセンター http://www.kanagawa-park.or.jp/tanzawavc/
【開館時間】 午前9時~午後4時30分
【休 館 日】 年末年始(12月29日~翌年1月3日)
【お問合せ】 0463-87-9300
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