今回お話をうかがったのは、秦野に移住して二年になる見城香織(けんじょうかおり)さん(44歳)。表丹沢の山々を楽しむライフイベントを企画運営する、秦野駅前にある丹沢日和NATURE ACTIVITY BASE(以下、丹沢日和NAB)のプロデューサーとして活躍しているランナーです。スポーツメーカーに勤務しながら各地を走り、表丹沢の山に出会ったという見城さんに、秦野の魅力そして丹沢日和NABの活動と今後の目標をうかがいました。
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ランナー仲間に出会って秦野へ
趣味で走っていた縁でお声がかかって、このお店で働いています。関西から引っ越してくるまでは、秦野のことはあまり知りませんでした。車で通る東名高速の秦野中井インターチェンジのある場所っていうイメージ。自分が登山やトレイルランをやることによって知った場所です。アクセスのいい、丹沢山系の素晴らしい山で遊べる場所って感じですね。
元々はロード(※マラソンに代表される競技場の外で舗装された公道などを走る競技の名称)を走っていました。山も好きで以前に登山をやっていたんですけど、ロードのランをやっているとトラックなどでわりとしっかり練習をするので、山に行く機会は減っていたんです。そんな中でランナー仲間に「一緒に行こうよ!」と山に連れて行ってもらって、その中で丹沢に出会えました。そこから通っているうちに「住めたら最高じゃん!」みたいな気持ちになったんですよ。それが叶って移住してきました。
表丹沢の楽しみ方をたくさんの人に伝えたい
山って天候によっても、登る山によっても全然景色が違うじゃないですか。一緒に行く人によっても楽しさが変わるし、走る、歩く、食べるといった目的によっても変わる。そういうところが本当に楽しいんですよ。だから続いています。
秦野は山のバリエーションがすごく多くて、初心者向けの軽く走ってすぐ下山できる弘法山のような山もあれば、塔ノ岳のように中級者向けの「がっつり登りますよ」みたいな山もある。その時その時の練習したいことや、やりたい内容、その日の天気で決められるっていうのがすごく面白い。
たとえば今、私は44歳。30代の時はロードのマラソンで、結構がっつり走ってたころだったんです。40代になってこのスポーツを自分の趣味として、また生涯スポーツとして、どれだけ充実させるかとか、楽しめるかとか、幸せかと思えるかなど、考えるようになりました。
これからも今の感じで楽しみたい。大会にも出ながら、初心者の方に教えたり、楽しんでもらえるきっかけを作って走る楽しさを伝えていったりしたいと思っています。自分は自分で山を楽しむとか、いろいろな楽しみ方をやっていこうと思っています。これから10年、20年経ったら、体が思うように動かなくなってくる年齢が訪れるわけですから、その時はじゃあ、山ご飯で楽しもうか、山ご飯もレベルアップしようかとか、山にはそういう楽しみ方がずーっとあるんですね。これをみんなにも味わってほしいです。
丹沢日和NABが目指す今後の活動
駅と直結しているので、案内所やガイドみたいな場所にしていけるのが理想です。ロードのランとトレイルランにも関わるようなイベントとかもやっていますけど、「ハイカーさんはなかなか立ち寄りにくいかな?」っていう印象があったんです。そこで、丹沢マップを改札内や改札を出たところにも貼ったところ、「この地図どこに売っているの?」と言う方も、増えてきたんですね。ハイカーさんにちゃんとお店のことを知ってもらうきっかけづくりも、これからもやっていこうと思っています。
ゆくゆくは山に必要なものを店頭に置いたり、ハイカーさんのためのイベントをやったりというのも考えています。この秦野駅を拠点に、いろいろなアクティビティをする人が集まる場所として「ここはアクティビティベースです」って言えたらいいなと思っています。
初心者でも安全に楽しめるイベントを
基本的にはイベントのターゲットは初心者です。中上級者はイベントに参加しなくても自分で行けるから。
何かを始めてみたいと思っても、一人ではなかなかできなかったり、一人だと一回やって「別に面白くなかったな」となってしまったりで、なかなか続かない。そうならないように、「今日は楽しい1日だったな」と思ってもらえるイベントを作りたいと思っています。
例えば、今やっている初心者向けに走るイベントの中で「ヤビツ峠走」があります。対象を初心者向けとしているけど、往復で走ったら25キロぐらいあります。距離は初心者ではないんです。でも、一気に登らずに先頭にはガイドがいて、途中にはサポート、後ろにスイーパーといって拾っていく人がついています。また、私自身も秦野市消防本部が行っている上級救命講習を受講して認定を受けています。何かあった時の対応もしっかりできるように準備していますので、安心してチャレンジできると思います。
秦野で開催の「はだの丹沢水無川マラソン」の試走会も開催しました。他にも、秦野の景色やコースを満喫していただけるイベントを考えています。
未舗装路を走るトレイルランのイベントは、何から揃えたらいいのか、トレイルランのシューズとロードのシューズの何が違うのか、その履き方、走り方など、本当に基礎的な部分を教えることも行っています。
子ども向けのイベントは、国内各地のトレイルランのレースで活躍する倫太郎さんというトレイルランナーに企画を持ち込んでいただき、親子向けに山などのアクティビティを楽しんでもらうイベントを行っています。
さらに平日のアクティビティ教室ではヨガなどを行っています。これ、ランナーと関係ないと思いがちですけど、柔軟な動きをヨガですることが走りに繋がったりするんです。平日の空きスペースを使って、ヨガやピラティス、ウオーキングの教室も開催しています。
ニーズに応えられる場所
最初は丹沢日和NABのSNSだけに関わらせていただいていましたが、ここがちゃんとオープンするという話になってから、具体的な話し合いを重ねてきました。やっぱりシャワーがないとお客様に来ていただけないとずっと伝え続け、ようやく2025年1月にシャワー室を設置して、リニューアルオープンできる運びになりました。走ってシャワーでサッパリしてお酒を飲めて最高!と感じてもらい、ランナーだけでなく皆さんのニーズをつかんでいる環境を提供していきたいと思っています。
「ここに行ったらこれが買える」でもいいし「これが飲める」でもいいですし、イベントも含めてたくさんの人が集まるような活気ある場所にしたいと思っています。気兼ねなく、秦野に来たら寄っていきたい!そう思っていただける拠点づくりを今後も目指していきたいと思っています。
■施設名:丹沢日和NATURE ACTIVITY BASE
■住所:神奈川県秦野市大秦町1-1小田急マルシェ秦野2階
■アクセス:秦野駅直結(駐車場なし)
■電話番号:0463-20-8656
■営業日:(リニューアルオープン2025年1月(予定)より)
:火・木・金 11:00-20:00
:土・日・祝 7:30-17:30
※祝翌日はお休み
■店舗情報
Instagram:(丹沢日和NAB)https://www.instagram.com/tanzawabiyori_nab
【得意分野】 カメラ、ロードバイク
映像と写真、両方で活動しているフリーのカメラマン。秦野市との出会いは中学生の時に始めたロードバイクで、20年経ってもその時の景色が忘れられずOMOTANライターに志願。魅力をしっかり伝えるためにがんばります!