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【ライター記事】komeama®︎ 山崎綾乃さん【私のOMOTANライフ vol.1】

甘酒作りを探求・名水を探し訪れた秦野に一目惚れ!移住し“人生2回目感”

表丹沢で生活する人々の暮らしに着目し、その人の生活や仕事、価値観を深堀りする「私の「OMOTANライフ」。連載1回目となる今回は、名水を求めて移住し、甘酒専門店「komeama ®︎」(こめあま)を運営する山崎綾乃さんをインタビュー。秦野に移住を決めた経緯から暮らして感じる変化など、自分らしく生きるヒントが満載です!

体調悪化・体質改善のために始めた甘酒作り

真夏のような取材当日、瑞々しい甘酒が身体中に染み渡る

都内で忙しく働いていた時ある日、アトピーが顔中にできて体調が悪化して、やむなく自宅で療養することになりました。根本から体質改善に取り組もうと考え、米麹甘酒を自分用に作ったことが今の活動の始まりです。

最初は、甘酒といえば、子どもの頃に苦手だった酒粕のイメージが強くて、実はあまり気乗りしなかったんですよ。でも、前職で米粉を使ったスイーツのお店の立ち上げや商品開発に携わった際に、お米の活用法について学んだことがあって、米麹甘酒もあるということをふと思い出して。さっそく米麹を取り寄せて炊飯器で作ってみるとおいしくてハマりました。

継続して飲むうちに、お肌の調子も体調もだんだんと良くなってきて、気がつくと乾燥の米麹から生の米麹まで全国から約60種類の麹を取り寄せて作っていましたね。体のことを考えて、火を入れない生の甘酒を作ることに方向性が決まりました。

「お米の魅力を普及したい!」起業・より良いお水を求めて移住を決断

移住後、毎日眺めても飽きない表情豊かな秦野の空

ちょうどその頃、ダイエットや糖質制限ブームでご飯の量を減らそう、という世の中の風潮や、国内でのお米の消費量の減少問題を知って・・・。甘酒を通してもっとお米の魅力を普及していきたいという想いが芽生え、2016年に独立し都内で「komeama ®︎」(こめあま)を立ち上げました。

イベントに出店し、アスリートにも提供するようになり、おいしいと口コミが広がってやりがいを感じていました。その一方で、「より良いお水や環境で作りたい」と現状への違和感をじわじわ感じ始めるようになりました。都内の工房では高性能な活水器を使っていましたが、甘酒は麹とお米と水だけというシンプルな材料で作ることができます。それだけに、よりお水にこだわりたくなったんです。大切に収穫されたお米を農家さんから直接お預かりすると「お米を活かすためにはおいしいお水を使いたい」という気持ちが日に日に大きくなっていきましたね。

そこで「おいしいお水のある地域を探している」とパン屋さんを営む友人に相談すると、秦野のお水が良いよ、と教えてもらって、初めて表丹沢に水を汲みに訪れました。当時、「はたの?はだの?どう読むのだろう」というくらい何も知らなかったのですが(笑)、お水のおいしさに一目惚れし、表丹沢の広い空や穏やかな雰囲気もとても気に入りましたね。「ここに住んで甘酒を作っていきたい」と家族に相談すると、快く受け入れてくれて、いよいよ移住を決めました。

移住し、秦野の緩やかな時間の流れ・空気感に癒やされて

「赤ちゃんが生まれてから初めて二人で車に乗って来ました!」とご出産の報告を受けて顔がほころぶ山崎さん

とはいえ、秦野には知り合いが一人もいないゼロスタートで、この場所でやっていけるのだろうか、という不安は正直ありました。ですが、実際にこちらに住み始めてみると、穏やかな地域性に触れてどんどん気持ちが緩んできましたね。例えば、運転していると自然な譲り合いがあり「なんでこんなに優しいの?」とはじめは戸惑ったくらい(笑)。人も、時間の流れ方もとても穏やかだなぁと思います。

毎日見ても飽きない大好きな秦野の空をインスタグラムでアップしているのですが、その写真を見て移住を決めた方もいらっしゃいます。今では人のつながりが自然に広がってきてありがたいですね。秦野は、他の地域と比べても、圧倒的に人の口コミが広がるのが早くて、人から伝わる力が強いなと感じます。人のつながりが生きているのでしょうね。

秦野で店舗オープン以来、足繁く通ってくれるお客様(撮影:坂本武史)

komeama ®︎は、店舗は木曜日・金曜日のみの営業で、イベント出店も時々だからか「〇〇さんから話を聞いて来ました」とわざわざ情報を追って来てくださっているお客様が多い気がします。店舗は不定休ですが、今日みたいにキッチンカーを出している時を楽しみに買いに来てくださる方が多くてうれしいです。

私の場合、「地域おこしをしなければ」というよりも、甘酒が好きで秦野が好きになって、お米の魅力を広めたくて。そんな自分の好きなことを発信し続けているうちに、人の出会いや仕事の機会が広がった気がしています。秦野市のふるさと納税の商品の一つとして、うちの甘酒を取り上げてくださったのも大きな転機になりましたね。

秦野の水で変化する甘酒作りと自分自身の感性

「秦野の環境や人に癒されて、心のゆとりが生まれた」と話す柔和な笑顔の山崎さん(撮影:坂本武史)

私、移住してから「人生2回目感」があるんですよ(笑)。甘酒を作るという、やっていることは変わらないのですが、プライベートの時間の過ごし方なども変わりました。時間が空くと、「あそこに行ってみようよ」と友達と気軽にお出かけすることも増えました。

甘酒作りでも変化を感じましたね。秦野のお水を使い始めてまず「あ!感触が全然違う」という実感があって。お米を研いでいる時の感触や、飲んだ時の舌触りとか、お水のトロッとした感じなどが明らかに変わったように感じられて、最初は「あれ?お米を変えたからかな?」と思ったくらい。理屈では分からないけれど、もしかしたら、秦野での生活から心のゆとりが生まれて、甘酒を作っている作り手の私、お米、お水の一体感を感じられるようになったからかもしれません。移住前はいつもどこか気を張っていた生活が、秦野の環境や人に癒やされて、一つ一つの行程を心豊かに味わえるようになり、単なる作業ではなくなったのでしょうね。

知られざる秦野の魅力を伝えるメッセージをキッチンカーに込めて!

地元のコラム建設と共同制作したこだわりのキッチンカーはふわっと優しいヒノキの香りがする

このキッチンカーは父から車を譲り受けて、秦野の建築会社と共同製作したんですよ。内装には秦野産のヒノキ材を多数使っています。秦野産ヒノキ材は歌舞伎座の舞台などに使われていますが、あまり市民にも知られてないですよね。この車が甘酒と秦野の魅力を伝えるメッセージカーになればいいなと願って作りました。秦野の方にとっては、この恵まれた環境が当たり前なので、知られざる魅力はたくさんあると思います。

これからやってみたいことは、秦野の空間を内装と見立てて、大人が楽しめるグランピング施設を作ってみたいですね。高齢者対策とか子育て対策はよく聞くけれど、大人が遊べる場所があればいいなと思って。それと、甘酒は結構何にでも合うので、フルーツ農家さん、お米農家さん、珈琲屋さん、パン屋さんと、これまで秦野はもちろん県外の方ともコラボし商品開発をしてきたのですが、これからも甘酒から広がるご縁を楽しんでいきたいです。

■施設名:komeama ®︎(こめあま)
 代表:山崎 綾乃
■住 所:神奈川県秦野市菩提192-8
■電話番号:0463-79-9753
■営業時間:木曜日・金曜日 10:00〜15:00(※なくなり次第閉店)
■定休日:不定休
■店舗情報
■公式ホームページ:https://komenowa.net/
 Instagram: https://www.instagram.com/komeama/
 メッセージカーInstagram:https://www.instagram.com/komeamadeau/

OMOTANライター 内田 くみ (うちだ くみ)
【得意分野】 人物インタビュー

私の強みは「魅力、想い、背景を引き出す取材・ライティング」です。
コーチングなどの心理の学びの中で質問・洞察・傾聴力を研鑽してきました。
表面的な言葉のみにとらわれず、インタビュアー自らが多角的な観点を持ち背景を考察する姿勢を日頃から大事にしています。

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