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【ライター記事】表丹沢の自然と絶景を心ゆくまで楽しめる「大倉高原テントサイト」に行ってきました!

大倉高原テントサイト

神奈川県の表丹沢は、関東でも人気の高い登山スポットの1つです。このエリアには、いくつかの山小屋がありますが、実はテントサイトもあるのをご存知でしょうか。それが「大倉高原テントサイト」です。標高約600メートルに位置し、大倉登山口から40分ほどで到着できます。山の中にありながら、市街地からアクセスしやすいのが魅力で、風や木の匂いを感じながらゆったり過ごせるテントサイトです。
今回は秦野市役所、観光振興課の向原武尊さんに大倉高原テントサイトについてお話を伺い、後日、実際に現地にも足を運んできました。その特徴や魅力、利用時の注意点などをご紹介します。

大倉高原テントサイトとは

秦野戸川公園と隣接する大倉バス停

大倉高原テントサイトは、神奈川県秦野市堀山下にあり、秦野市が管理しています。塔ノ岳へ続く大倉尾根の登山道脇にあり、秦野戸川公園から徒歩約50分でアクセスできます。

公共交通機関を利用する場合は、小田急線渋沢駅から大倉行きバスに乗り、秦野戸川公園に隣接するバス停「大倉」で下車し、そこから歩いて向かうのが一般的です。車の場合は、公園駐車場や周辺の民間駐車場を利用できますが、台数が限られているため早めの行動をおすすめします。

テントサイト内に設置されたチップ塔

テントサイトは、日帰りでの一時利用も可能です。2022年のリニューアルでトイレと水場などが整備され、より快適に利用できるようになりました。予約は必要なく、テントは20張ほど設営できる広さがあります。テント泊利用者に対して、1人500円の協力金をお願いしています。支払いはテントサイト内に設置されている「チップ塔」へ現金を投入、または秦野市電子地域通貨「OMOTANコイン」を使ってQRコードから行えます。OMOTANコインで支払う場合は、事前に専用アプリへの入金が必要です。

暖かい季節は緑が眩しい大倉高原テントサイト(提供:秦野市役所)

山の中にあるため利用にあたって注意点はあるものの、「表丹沢の登山道に接する唯一のテントサイトであることや、リニューアルによる快適さから、年々利用者が増えているんですよ」と向原さん。紅葉シーズンは特に人気が高いそうです。

紅葉の時期の大倉高原テントサイト(提供:秦野市役所)
紅葉がとても鮮やかに色づいています!(提供:秦野市役所)

秦野戸川公園から出発

リニューアル前の大倉高原テントサイト

私自身、リニューアル前に家族と何度かテント泊をしたことがあり、塔ノ岳山頂まで登らなくてもサイト内でのんびりコーヒーを飲んだり、周辺を散策したりして過ごしました。山の心地よさを存分に感じられ、表丹沢の中でも特にお気に入りの場所です。今回は久しぶりの訪問でとても楽しみにしていました。

秦野戸川公園から歩いて5分ほどの大倉登山口

11月のよく晴れた平日。表丹沢の玄関口として親しまれている秦野戸川公園から出発しました。公園を出てすぐ右へ曲がり、道なりに歩くと5分ほどで登山口に到着します。登山口からしばらく歩くと秦野市の名水スポット「大倉の清水」が現れます。秦野市は「名水の里」と呼ばれ、市内には30カ所以上も名水を汲めるスポットがあります。その中の1つにスタート直後に立ち寄れるのが嬉しいですね。

登山口の近くにある名水スポット「大倉の清水」

その先の登山道はよく整備され、歩いていてとても気持ちのよい道でした。緑が濃く、空気まで澄んでいるように感じられ、何度も深呼吸したくなるほどです。平日にもかかわらず何組もの登山者を見かけ、人気のエリアであることを改めて実感しました。

テントサイトに行く途中にもトイレがありました
しっかり整備された登山道

とても眺めがいい!!

途中の分岐では案内板にしたがって進みましょう

登山道の途中にある分岐は案内板にしたがって先へ。そこから20分ほどで大倉高原テントサイトに到着しました。周囲の木々はうっすらと色づき始めていて、季節の移り変わりを感じさせます。

テントサイトでは紅葉が始まっていました

サイト内はトイレとベンチで挟まれた辺りが最も平坦で、広場のように整備されています。奥のエリアは木々が多く、場所によっては少し傾斜がありますが、暖かい季節は木陰で快適に過ごせそうです。

テントサイトの奥のエリアの様子

そしてテントサイトの南側は大きく開けていて、晴れた日は遠くの相模湾まで見渡せ、とても気持ちのよい展望が広がります。縦走など本格的な登山をしない方でも、テントを張って、丹沢の景色を眺めながらリラックスタイムを楽しめそうです。

この日は天気が良く、遠くまで見渡せました!

トイレと水場の様子

新しく設置された環境配慮型の山岳公衆トイレ

こちらは新しく設置された環境配慮型の山岳公衆トイレです。土壌中のバクテリアが汚水を浄化し、洗浄水として再利用されています。その横には浄化槽を保護するためのウッドデッキが設けられていました。休憩スペースとして利用できますが、デッキ上でのテントの設営は禁止されています。

テントサイトの水場

晴れた日が続いていましたが、この日は水場から水が出ていました。しかし、冬季(特に12月〜2月)は水量が減ることがあるため、必ず飲料水を持参しましょう。

大観望からの展望もおすすめ

大観望からの眺め

テントサイトのすぐ下には、かつて「大倉高原山の家」という山小屋がありました。老朽化により現在は撤去され、跡地にはテーブルとベンチが設置されました。跡地前の大観望からの展望もとても素晴らしく見ごたえがあります。秦野市街がすぐ眼下に広がり、テントサイトからの展望とは少し違った景色が楽しめます。

「大倉高原山の家」跡にテーブルとベンチが設置されていました

利用時の注意点

取材の最後に観光振興課の向原さんに、テントサイトの特徴だけでなく、安全に利用するための注意点も伺いました。

●水場は沢水(山の沢に自然に湧いたり流れたりする水)のため、必ず煮沸食毒が必要です。冬期など季節によっては水量が減ったり、断水する可能性があるため、飲料水は必ず持参しましょう。また、水場での食器洗いなどは禁止されています。

●トイレは環境配慮型の山岳公衆トイレです。微生物分解方式で、水や電力をほとんど使わずに運用されています。トイレットペーパーは備え付けがなく、流すこともできません。持参した場合も必ず持ち帰りましょう。なお利用には1回100円の協力金が必要で、こちらもOMOTANコインに対応しています。

●焚き火は禁止されています。炭や薪を燃やすことはできません。調理はガスバーナーやガスコンロなど最低限の火器のみ使用可能ですが、草木に火が燃え移らないように、周囲へ十分配慮しましょう。

●樹木の伐採は禁止されています。
初めて訪れる方でも事前に知っておくと、自然環境に配慮しながら快適に過ごせるでしょう。

表丹沢で自然を満喫するなら

市街地からのアクセスがよく、自然の豊かさをしっかり感じられる大倉高原テントサイト。塔ノ岳まで向かうには距離が長いと感じる方や、山歩きをゆっくり楽しみたい方でも、秦野戸川公園から約50分で着けるため無理なく登ることができます。表丹沢の自然を身近に味わえる場所として、ぜひ訪れてみてくださいね。

■大倉高原テントサイト
公式ホームページ:https://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1628822180074/index.html
お問い合わせ先:0463-82-9648(秦野市役所 観光振興課 観光施設担当)

OMOTANライター 深瀬 あみ (ふかせ あみ)
【得意分野】 登山、キャンプ

ライター、カメラマンとして活動しながら、趣味の山登りを楽しんでいます。
神奈川に移り住み、初めて表丹沢を訪れたとき、その美しさにすぐに引き込まれました。
自然の息吹を感じられる表丹沢の素晴らしさを、言葉と写真でお届けします。 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

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