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【ライター記事】生麹の酵素が活きるピュアな甘み。秦野の名水、全国の米や果物が織りなす「一期一会」の甘酒

合同会社andWAY『komeama plain』

2025年、神奈川県秦野市の地域ブランド「はだのブランド」がリニューアルし「丹沢の杜、名水のまち」という新コンセプトを象徴する6品が認証されました。その魅力を紐解くシリーズ第4弾は、遠方からもファンが絶えない「合同会社andWAY」の米麹甘酒「komeama plain」の魅力に迫ります。代表の山崎綾乃さんが自身の体調不良をきっかけに始まった「甘酒探求」は、縁もゆかりもなかった秦野の地へとたどり着きました。家族とともに移住するという大きな決断を下した山崎さん。製品づくりの枠を超えた、並々ならぬ覚悟と行動力。一杯の甘酒に秘められた「一期一会」のストーリーをお届けします。

砂糖・アルコール不使用、自然の豊かな力が宿るピュアな甘み

はだのブランドに認定された甘酒「komeama plain」(撮影:梅津優子)

閑静な住宅街の一角に、そのお店はあります。取材当日、少し小走りで到着したライターに代表の山崎さんが差し出してくれた甘酒。一口飲んだ瞬間、ピュアで澄んだ甘みの中に一筋の凛とした清涼感が体内にすっと通りました。記者が山崎さんに会うのは2度目。約1年半前の取材でも味わいましたが、「あぁ、私は山崎さんの甘酒を飲みたかったんだな」と、身体がこの味を求めていたことを実感します。

山崎さんが手掛ける甘酒の「komeama plain」は「はだのブランド」のコンセプトでもある、「丹沢の杜、名水のまち」にふさわしい6認証品のひとつに選ばれました。砂糖のようなダイレクトな甘さとは違う、すっと身体に染み渡るような清らかで丸みのある米の繊細な甘み。そして喉越しは清らかで心地いいのが特徴です。アルコールや添加物を含まないため、運転前でも飲め、乳幼児から高齢者、大切な家族であるワンちゃんまで、世代や垣根を超えて「おいしい」を実感できます。

シンプルながら奥が深いkomeama ®︎がたどり着いた米と米麹

昔ながらの麹製法を守る生米麹(撮影:梅津優子)

甘酒は一般的に「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類があります。komeama ®︎の甘酒はというと、米と麹、水の3つの素材のみでつくられた「米麹甘酒」です。シンプルだからこそ、奥が深い。山崎さんは一つ一つの素材にこだわっています。

まず米は、無農薬・減農薬・有機栽培米を全国各地から毎年セレクト。産地を限定せず、季節ごとにお米を選ぶ背景には、創業時から抱き続けてきた「日本の伝統食であるお米文化を普及する」という願いが込められています。米農家を訪ね、対話を重ねる日々が、その想いをより一層深いものへと変えていきました。

「後継者不足など、毎年決まった農家さんが当たり前に農業を続けられるわけではないという現実を知りました。だからこそ、特定の産地にこだわらず、日本各地のお米の魅力を伝えたい。秦野のお米を使う喜びも感じつつ、あえて地域を限定しないことで、立ち上げ当初のコンセプト『全国のお米の飲み比べを楽しむ』という形を大切にしています。産地や作り手、時期によって、甘酒の味わいは変化するので『今週のお米はどこの?』と楽しみに来られる常連さんもおられますよ。『一期一会』の出会いをぜひ楽しんでもらえれば」と山崎さんは語ります。

次に注目したいのが米麹。砂糖を一切使わずとも、麹の酵素が米のデンプンをブドウ糖へと分解し、お米本来の自然な甘みを最大限に引き出します。発酵の進行とともに、少しずつ変化していく味わいも魅力のひとつ。

一般的な甘酒の多くは、保存性を高めるために「乾燥麹」を使用し「加熱処理(火入れ)」をします。しかし山崎さんが選んだのは、伝統的な製法で作る福島県会津坂下産の「生米麹」。全国から約60種類もの米麹を取り寄せ試行錯誤を重ねる中で、「これ以外には考えられない」と直感したといいます。

あえて手間のかかる非加熱の生米麹にこだわる理由は、熱に弱い酵素の力を、最大限に活性化した状態で届けたいから。「自身の体質改善を通じて生米麹の力を実感したからこそ、身体に取り入れた時の反応を大切にしたいと思いました。冷凍流通は販路が限られますが、コストや効率より、飲む人のことを最優先に考えました」。そう語る山崎さんの甘酒には、文字通り「活きた酵素」が息づいています。

理想の甘酒を求めて。秦野の名水との出会い

甘酒探求からおいしい水を求めてたどり着いた秦野の地

米麹甘酒のラストピースは水です。2016年に「komeama ®︎」を都内で立ち上げた当初は、都内の工房で高性能な活水器を使っていました。しかし山崎さんは、「大切に収穫されたお米を農家さんから直接お預かりすると『お米を最大限活かすためにはおいしいお水を使いたい』という気持ちが日に日に大きくなっていきました。パン屋を営む友人に相談すると、秦野のお水が良いよ、と教えてもらって。初めて表丹沢に水を汲みに訪れた時、その水のおいしさに一目惚れし移住を決断しました」と振り返ります。移住先は秦野市の市街地ではなく、あえてその水源に近いOMOTANエリアのそばへ家族と共に移り住みました。「名水百選30周年記念『名水百選』選抜総選挙」の「おいしさが素晴らしい名水部門」で、全国第1位に選ばれた秦野の水との出会いが山崎さんの人生を変えたのです。

ライターメモ
ライターが前回取材した山崎さんの記事はこちら。
なぜ山崎さんが甘酒探求を始めたのか、「名水」といわれる秦野の水と甘酒の親和性、山崎さんのOMOTANライフなどをたっぷりと紹介しています。
リンク先:https://omotan-hadano.jp/私のomotanライフ-vol-1komeama-山崎綾乃さん/

komeama®︎のネーミングとパッケージに込められた想い

お米と秦野のお水の魅力を伝え、農家と作り手が手を取り合っているコンセプトを表すロゴ

米、麹、水の3つの組み合わせだけではなく、素材や作り手への想いは、ネーミングやロゴのデザインにも表れています。実は山崎さんは、もともと「甘酒」に対し、子どもの頃に飲んだ酒粕の強い香りの記憶から苦手意識があったそうです。そこで、多くの人へ「米麹甘酒のおいしさがストレートに伝わるものにしたい」と考え、生まれたのが「komeama®︎(こめあま)」という名前でした。

「名前の意味は、米の甘み、というそのままの意味です(笑)。『こめあま』って、ある日ふと閃いたときに、ニックネームみたいで親しみやすく、言いやすいなと思って」と微笑みます。山崎さんの言葉通り、そのネーミングとパッケージには、日常に寄り添う温かさと、ピュアなお米の魅力がまっすぐに込められています。ロゴマークをよく見ると、「甘という漢字を構成する縦線と横線が組み合わさって構成されています。「お米農家さんと作り手が手を組む姿を表しています」と山崎さん。米麹甘酒を作り始めてから10年間の月日の中では、農家さんから厳しい指摘を受けたこともありました。そうした率直な意見と真摯に向き合いながら、納得のいく甘酒を求め試行錯誤を繰り返してきたといいます。ロゴの中央に配置された一粒のお米は、農家の方々と山崎さんの信頼の証のようです。

全国のお米や旬の農作物の魅力を味わう一杯。新たな価値へつなぐアップサイクル

甘酒×イチゴの淡いピンク色にときめく。ロゴもピンク

komeama®︎では、季節の果物と組み合わせた商品も積極的に開発しています。果物もスーパーや百貨店などで販売されるものではなく、味は変わらないのに少し形が崩れているなどの理由から廃棄されてしまう規格外の農作物を甘酒にブレンドする「アップサイクル」に取り組んでいます。

「農家さんが丹精を込めた農作物を甘酒とコラボすることで、再び輝かせられたら。そう思っていた時、あるイチゴ農家さんと出会いました。活動を続ける中で生まれたご縁から、旬の果物や農作や農作物を甘酒にブレンドすることで、新たな価値を生み出せるようになり、農家さんにも喜ばれました」と語ります。

山崎さんが創業当初から大切にしているこの活動は、フードロス削減にとどまりません。生産者の想いをお客様へ、そしてお客様の「美味しい」という笑顔を農家さんへ。そんな優しい輪が、甘酒を介して静かに広がり続けています。

こうした活動から生まれたのが、「イチゴの甘酒」です。komeama®︎のラインナップの中でも、春の気配を運んでくれる季節限定の商品で、春の陽光を映したようなほんのり淡いピンク色に思わず「可愛い」と笑顔がこぼれちゃいます。開発当初は店舗限定の商品でしたが、お客様から「飲んでみたい」と熱望があり、注文ごとにブレンダーで攪拌(かくはん)することでキッチンカーでも販売可能となったそう。一口含めば、イチゴの瑞々しい香りと食感がふわりと広がり、甘酒の穏やかな甘みと、イチゴの程よい酸味がベストマッチ!まるで春の朝のような、清らかな味わいでした。販売状況はSNSからチェックしてみてください。

「イチゴの甘酒」のように、山崎さんが創業当初から大切にしているこの活動は、フードロス削減にとどまりません。生産者の想いをお客様へ、そしてお客様の「おいしい」という笑顔を農家さんへ。そんなおいしさの循環が、甘酒を介して静かに広がり続けています。

自身の感性や直感に純真に、飽くなき探究心からたどり着いた、米、生米麹、そして「秦野の名水」。その素材一つひとつに山崎さんの想いと出会いがあります。komeama®︎の甘酒は、喉を潤すだけでなく、心を解きほぐし、明日へ踏み出す力をそっと身体に届けてくれるような存在。秦野の工房から、全国の農家さんとつながって生まれる一期一会の一杯を、ぜひ楽しんでくださいね。

表情豊かな秦野の空と優しく馴染むkomeama®︎のリーフレット(撮影:梅津優子)

■施設名:komeama ®︎(こめあま)
 代表:山崎 綾乃
■住 所:神奈川県秦野市菩提192-8
■電話番号:0463-79-9753
■営業時間:木曜日・金曜日 10:00〜15:00(※なくなり次第閉店)
■定休日:不定休
■店舗情報
■公式ホームページ:https://komenowa.net/
 Instagram: https://www.instagram.com/komeama/

OMOTANライター 内田 くみ (うちだ くみ)
【得意分野】 人物インタビュー

私の強みは「魅力、想い、背景を引き出す取材・ライティング」です。
コーチングなどの心理の学びの中で質問・洞察・傾聴力を研鑽してきました。
表面的な言葉のみにとらわれず、インタビュアー自らが多角的な観点を持ち背景を考察する姿勢を日頃から大事にしています。

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