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【ライター記事】スマホでスタンプを集めながら自然を満喫!「秦野丹沢ハイキングスタンプラリー2025・蓑毛里山ウォーク」を歩いてきました

秦野丹沢ハイキングスタンプラリー2025・蓑毛里山ウォーク

神奈川県秦野市で開催されている「秦野丹沢ハイキングスタンプラリー2025」は、秦野の豊かな自然や歴史を感じながら健康づくりも楽しめるイベントです。スマートフォンを使っていつでも、誰でも自由に参加できるのも魅力の1つです。
今回は、表丹沢の里山エリアを巡る「蓑毛里山ウォーク」コースに参加してきました。アプリでスタンプを集めながら、地域ならではの風景や歴史に出会える、見どころ満載のハイキングの様子をレポートします!

「秦野丹沢ハイキングスタンプラリー2025」とは?

開催期間は2025年4月19日(土)から12月21日(日)まで。期間中、市内に設定された複数のチェックインポイントを巡り、専用アプリでデジタルスタンプを集めていきます。

参加方法はとてもシンプルで、スマートフォンに『YAMASTA(ヤマスタ)』アプリをダウンロードし、コース内のチェックインポイントでチェックインするだけ。チェックインすると画面上にスタンプがたまり、すべて集めると先着2,000名に記念の缶バッジが、さらに全員に認定証が贈られます。また、抽選で秦野の風景がデザインされた特製グッズが当たるチャンスもあります。

「秦野丹沢ハイキングスタンプラリー2025」全6コース

用意されているコースは、全部で6コース。初心者でも安心して歩ける里山コースから、展望の良い山のコースなど幅広いコースが用意されており、家族連れから比較的登山に慣れた方まで楽しめる内容です。秦野駅を起点とするコースも複数あり、アクセスも便利。歩くことで地元の歴史や名水スポット、四季折々の自然に触れることができます。

昨年の参加者は延べ8000人。秦野市役所の広報担当者の方によると、参加者からは「運動不足解消にもよかった」「ちょうどいい距離感で、無理なく楽しめました!」といったポジティブな声が寄せられているのだとか。

今回挑戦した「蓑毛里山ウォーク」は、小田急線秦野駅を出発し、「曽屋水道記念公園」「くずはの家」「田原ふるさと公園」「緑水庵」を経て、ゴールの「蓑毛大日堂」へと向かう全長約7.8km、所要時間およそ2時間25分のルートです。

スタートの秦野駅から「曽屋水道記念公園」へ

秦野駅の改札を出たら北口へ向かいましょう

自宅で『YAMASTA』アプリをダウンロードし、当日は10時すぎに秦野駅へ到着しました。秦野駅北口を出て右前方の階段を降りると、すぐ目に入るのが「まほろばの泉」という名水スポットです。ここはチェックインポイントではありませんが、駅近で秦野の名水に触れられる絶好の立ち寄り場所です。

地下50mから汲み上げているそうです

秦野市は神奈川県で唯一の盆地。地下は「天然の水がめ」ともいえる構造になっており、芦ノ湖の約4倍にもなる約7億5千万トンという豊富な地下水が蓄えられています。このおかげで、市内のあちこちで水が湧き出ており、環境省が選定する「名水百選」にも選ばれています。秦野の自然の恵みをぜひ感じてみてくださいね。

水無川沿いの遊歩道を歩くのもおすすめです

そのまま歩みを進め、水無川にかかる立派な橋を渡ります。川沿いの景色を楽しみながら「秦野橋北側」交差点を右に、「本町四ツ角」交差点を左に曲がります。しばらく歩くと最初のチェックインポイント「曽屋水道記念公園」に到着します。駅からはおよそ25分の道のり。道中には商店街もあり、秦野名物のお菓子をウォーキングのお供に調達するのもおすすめですよ。

秦野水道の歴史に触れられる「曽屋水道記念公園」

「曽屋水道記念公園」は1890年(明治23年)、国内でも早い時期に創設された近代水道施設「曽屋配水場」の跡地を活用した公園です。1983年に配水場としての役割を終え、1990年に公園として整備されました。公園内には明治初期の配水池やポンプ室、遺構があり、秦野の水道の歴史を感じられる場所です。

当時使われていたポンプなどが展示されています

大きな木が心地よい木陰をつくっていて、その下には、ひと息つけるベンチがありました。さっそく休憩がてらアプリでチェックイン。スマートフォンの位置情報をオンにし、アプリのホーム画面下部「チェックイン」ボタンをタップ。操作を進めるとデジタルスタンプを獲得できました。

アプリで簡単にチェックインできました!

秦野のくつろぎ空間「くずはの家」

2025年春に塗装され、すっきりとした印象になった「くずはの家」

曽屋水道記念公園を後にして、徒歩10分ほどの場所にある次のチェックポイント「くずはの家」に向かいます。「宮上」の信号がある丁字路を過ぎるとすぐ「くずはの家」と書かれた緑の看板が道路脇に見えてきます。その看板に従って右折しましょう。突き当たりの「秦野ガス・ネイチャーパークくずは」内に「くずはの家」があります。

住宅地の中とは思えないほど園内は緑豊かで心が和みます

この公園は、約5万年前の秦野断層の活動によって生まれた峡谷地形の中に位置しています。急傾斜のため開発を免れた自然が今も色濃く残り、生き物たちにとっては貴重な生活場所となっているそうです。園内には、約700種類の樹木や草花、約600種類の昆虫、約80種類の野鳥、さらに哺乳類も16種類が確認されており、すぐそばで観察することができます。その他にも、つり橋、どんぐり山など数多くの見どころがあります。

くずは峡谷に架かる「くずはのつり橋」

「くずはの家」は自然環境活動の拠点として創られたログハウス。室内には自然に関する本や資料がそろった研修室もあり、じっくりと学びながら休憩できる施設となっています。

周囲は住宅街が広がっていますが、一歩園内に入れば、豊かな緑に包まれ、まるで別世界。園内をゆっくり散策したり、ベンチで森林浴したりと、のんびり休憩できました。

この日は、大きなレンズを装着したカメラを手に、野鳥の撮影を楽しむ愛好家たちの姿も見かけました。仲間同士で楽しそうに談笑したり、ときには静かにシャッターチャンスを待ったりする姿が印象的でした。

スタンプラリーを続けるには、訪れた際に利用した入口ではなく、つり橋を渡り「くずは台南公園」を抜けて北側にある出入口から出発しましょう。出入口の階段を登り、次の目的地「田原ふるさと公園」へと歩きます。

地元の特産品などがそろう「田原ふるさと公園」

「くずはの家」から20分ほど歩くと見えてくる里山風景

住宅地を進み、細い路地を抜けると、のどかな里山風景が広がりはじめ、やがて左手方向に「田原ふるさと公園」が見えてきます。「くずはの家」からは徒歩30分ほどです。

地域農業の活性化の役割を担う「ふるさと伝承館」

公園内に建つ「ふるさと伝承館」には、農産物直売所や、手打ちそばが味わえるそば処など、地元の特産品を扱う施設が入っています。そば打ち体験もできるため、観光客に人気です。地域農業の活性化や農業者と都市住民との交流の場として重要な役割を果たしています。

8月は納涼祭、9月はかかしまつりなどのイベントも開催され、多くの人で賑わうのだそう。

「田原ふるさと公園」の北側にある「源実朝公御首塚」

さらに、公園の北側には、鎌倉幕府3代将軍源実朝公の御首がまつられているとされる「源実朝公御首塚」があります。静かな空気に包まれた、時の流れを感じる史跡です。この史跡にちなんで名づけられた漬物の「実朝漬」も、公園内の加工所で作られており、お土産として人気を集めています。

また、毎年11月23日に開かれる「実朝まつり」では、稚児武者行列や和太鼓の演奏などが行われ、公園やその周辺はにぎやかな雰囲気に包まれます。

どこか懐かしい古民家「緑水庵」

「緑水庵」は入口にある水車小屋が目印です

続いて向かうのは「緑水庵」です。公園を出てまっすぐ歩き、2車線道路に出たら右折。その先の東公民館前の交差点を左折し、公園から徒歩40分ほどで「緑水庵」の入口にある水車小屋に到着しました。

葉タバコ栽培農家の住宅を移築した「緑水庵」

「緑水庵」は、昭和初期まで秦野市内で盛んに行われた葉タバコ栽培にゆかりのある旧芦川家住宅を移築した施設です。2020年には国の登録有形文化財に登録されました。農具や生活道具などの展示があり、自由に見学ができます。なお、月曜(祝日の場合は翌平日)と年末年始(12月29日〜1月3日)は休館となります。

筆者は2024年12月にも訪れましたが、庭先のモミジが鮮やかに色づいており、とても印象的な景観でした。紅葉の季節にはライトアップも行われ、幻想的な雰囲気が楽しめますよ。

さらに「緑水庵」の裏には「蓑毛自然観察の森」もあり、見晴らし台からは相模湾まで見渡せます。(5月から10月頃まではヤマビルが発生するので肌を出さない服装で、専用の薬を塗るなどの対策をしてから歩きましょう)。

蓑毛地区では、のどかな風景が続きます

いよいよ最後のチェックポイント「蓑毛大日堂」へ。「緑水庵」前の県道70号を進むとほどなく「青年橋」が見えてきます。橋を渡って左折し、のどかな田園風景の中をのんびり歩きましょう。「鈴仲橋」の手前を右折すると「桜ともみじのワクワク広場」が現れました。訪れたこの日は新緑が輝いていましたが、春は桜、秋はモミジが美しく彩るスポットです。

新緑がまぶしい「桜ともみじのワクワク広場」
緑のあふれる散策道をのんびり歩いていきます

緑あふれる散策道をたどり、小さな集落を抜けると「蓑毛バス停」前の広場に出ます。お手洗いも設置されているので、ここで少し休憩してもよいでしょう。そこから左折し、2分ほどで「蓑毛大日堂」に到着です。

静けさに包まれた歴史あるお寺「蓑毛大日堂」

青葉に包まれた「蓑毛大日堂」

「蓑毛大日堂」は、天平14年(742年)、聖武天皇の勅願によって建立されたと伝わる由緒あるお寺です。かつては大山信仰の中心として栄えました。境内には、蓑毛地蔵堂や蓑毛不動堂などがあり、いずれも国の登録有形文化財に登録されています。

こちらにも紅葉の時期に足を運びましたが、そのときはまた違った趣がありました。境内はやわらかな日差しと青々とした木々に包まれていて、とても穏やかで気持ちの良い空気が流れていました。

「蓑毛バス停」から秦野駅へ

帰りは「蓑毛バス停」から秦野駅までバスで戻ります。バスは朝夕は1時間に2〜3本、昼間は1〜2本運行しているため、事前に時刻表の確認をおすすめします。

秦野駅北口すぐの「秦野市役所 秦野駅連絡所」

秦野駅に戻った後は、北口の先にある「秦野市役所 秦野駅連絡所」に立ち寄りました。アプリで集めたスタンプをスタッフの方に提示すると、記念の認定証と缶バッジをもらえます。缶バッジのデザインはコースによって異なり、数に余裕があれば複数の中から選べます。

交換場所は秦野駅以外にも、渋沢駅連絡所、東海大学前駅連絡所、鶴巻温泉駅連絡所と合計4カ所あるので、ご都合の良い場所をご利用くださいね。

今回は、ときどき休憩をはさみながら、少しゆっくりとしたペースで歩き、所要時間は約3時間半。取材しながら歩いたため、所要時間を1時間ほどオーバーしてしまいましたが、スタンプラリー「蓑毛里山ウォーク」を無事に完歩できました。市街地から始まり、水道の歴史や豊かな自然、のどかな里山、そして由緒あるお寺まで、多彩な魅力が詰まったコースでした。

ただ歩くだけでなく、スタンプラリーのような楽しい仕掛けがあると、普段気付かないような場所の魅力にも目が向きますよね。さまざまな魅力がある表丹沢の道を、ぜひじっくり歩いてお気に入りのスポットを探してみてくださいね。

◆秦野丹沢ハイキングスタンプラリー2025
■開催期間:2025年4月19日(土)~2025年12月21日(日)
■イベントに関するお問い合わせ:秦野市広報広聴課 0463-82-5117
■詳細はこちらをご覧ください。
・秦野市HP 秦野丹沢ハイキングスタンプラリー
https://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1617694823698/index.html
・アプリ「YAMASTA(ヤマスタ)」スタンプラリー紹介記事
https://yamasta.yamakei.co.jp/info/hadano2025.html
・特設サイト「秦野山旅」
https://rarea.events/features/hadano-yamatabi/stamprally

OMOTANライター 深瀬 あみ (ふかせ あみ)
【得意分野】 登山、キャンプ

ライター、カメラマンとして活動しながら、趣味の山登りを楽しんでいます。
神奈川に移り住み、初めて表丹沢を訪れたとき、その美しさにすぐに引き込まれました。
自然の息吹を感じられる表丹沢の素晴らしさを、言葉と写真でお届けします。 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

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